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Kulturaで販売するまでの道のり




今回Kulturaで販売がようやくできた「プレミアムフルーツクッキー」ですが、前回の記事にも書いた通り、販売開始まで1年を要しました。

元々このクッキーはお土産用途として考えており、ローカル相手のビジネスというより日本人を中心にしたビジネスとして考えていたのでローカルのスーパーマーケットでの販売は当初から考えていませんでした。まずDuty Free、そしてこのKulturaでの販売をターゲットにしていました。

Duty Freeには何とか受け入れていただいたのですが、Kulturaは正直苦労しました。Duty Freeに販売する際のルールとして「専用パッケージデザインであること」を言われていました。つまり箱のデザインはDuty Free専用であり、他では使用してはいけないのです。そこでHappy Cream Puffさん等で販売しているパッケージをKulturaにプレゼンしたら「シンプル過ぎて売れない。エレガントではない」と散々いわれ、デザインの変更を余儀なくされました。

味については当初から大変気に入られていたので、「デザインを何とかしろ」と逆にプレッシャーはきつくなりました。

いろいろと考えた末に、マンゴクッキー専用になるのならもっとマンゴ味を強調しようとこんなデザインを提案しました。

Cover Rev 1-3.jpg

「色を変えただけで、シンプルなのは変わらない。」と却下。他にも数種類のデザイン案を提出するものの全て却下です。

そこで既存のパッケージのデザインを大きく変え、もっと持ちやすくするために細長のパッケージを採用し、またフィリピンらしさをより強く出すデザインに変えました。それがこれです。

Kultura Box Rev 0-7 Side 1.jpg

私自身、このデザインはとても好きなデザインで、フィリピンを代表するフルーツを12種類載せました。上のカバーの裏にはそのフルーツの説明を書こうと思っていました。とてもフィリピンらしいデザインでイラストも可愛らしく、これ以上のデザインはないと自信を持っていましたが、「フィリピンのフルーツを載せてもローカルフィリピン人は興味がない。ダメ。」と言われて再び却下です。Kulturaで「マンゴチョコレート」なる製品を売っていて、その箱がエレガントと考えていて、それを模倣することを彼らは望んでいました。

これにはさすがに落ち込みました。きっとフィリピン人のデザイン感覚と日本人の感覚はきっと根本的に異なっていて、いくらいいデザインを持ち込んでもダメだろう。他のパッケージの模倣は嫌だ、ということで半ば諦め状態でしばらくプレゼンをやめていました。

ある日Happy Cream PuffさんがMOAで父の日向けのバザールに参加するので「Akiraさんもどうですか?」と誘われたので参加することに。(実は母の日向けも参加していました。)バザール中は隣でシュークリームがドンドン売れていくのを尻目にクッキーは単価が高いし、知名度もないので販売は芳しくありません。そしてバザールも終了の日が近づいていたある日、ある女性客2名が私達の販売ブースに来ました。

「あれ?このクッキー、〇〇がプレゼンに来た、あのクッキー?何でこんなところで、しかもこんなデザインで売っているの?このデザインならいいじゃない?」と言い出します。恐る恐る名前を聞くと、何とKulturaの担当者とその上司の人でした。「すぐにこのパッケージデザインを元に、〇〇にプレゼンを持ってこさせなさい」と指示をされます。〇〇とはクッキーを販売してもらっている会社の担当者です。

後日話しを聞くと、デザイン案を却下していたのは上司と一緒に来ていたKulturaの担当者だったのです。最初に「シンプルすぎて却下」としていたのはこの担当者で、最初のデザインは上司に届いていませんでした。上司に届いていたのは上に書いた2つのデザインだけでした。しかし奇跡的に上司が自分用に買い物に来ていて、たまたま私達のブースに寄ってくれたのが今回の話に繋がりました。もし寄ってくれなかったら未だに何もなかったかもしれません。その意味でバザールに誘っていただいたHappy Cream Puffさんには感謝感謝です。(担当者は上司からの命令なのでもう何も言えません。フィリピンではよくあることです。)

最終的なパッケージは前回も紹介したこれです。
Cookie Cover.jpg

その後トントン拍子で話は進み、今回の販売に至りました。Kultura向けにはいろいろと企画があり、別パッケージや別の味で今後いろいろな製品が出てくる可能性があります。フィリピンで仕事をしているとよく思うことですが、企画(製品・デザイン・マーケティング等)を練るのも大事ですが、結局「運」ってとても大事だと思います。その運をいかに自分に引き寄せられるのか?そこがポイントだと思います。「運頼みのビジネスなんて」と思うかもしれませんが、運は引き寄せられますし、結局振り返ってみたらやっぱり「運」だと思っています。あの山頭火のフィリピンサイドのオーナーは私のお客様で、よく知っている方ですが、彼はある場所で「山頭火」を食べたのが契機になり、山頭火のフランチャイズを取りたいと思うようになりました。その時食べていたのが別のラーメンだったらあそこに出ていたのは違うものになっていたかもしれません。

今はスタートラインに立ったばかりです。今後成功するか否かは私達の努力次第です。今後もクッキービジネスを頑張っていきますのでよろしくお願いします。
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Happy Cream Puff

Akiraさん

Happy Cream Puffです。
KULTURAでの販売開始おめでとうございます!

SM MegamallとSM MakatiのKULTURAへ行ってきましたがどちらも目立つところにPremium Fruit Cookieが展示してあって良い感じでした。

ここまで来るまでの苦労話とか途中の箱のデザインなどのお話も時々聞かせていただいただけに、今回の販売開始は私も嬉しく思います。

しかし、あんなに却下され続けたのに、あのFather’s Dayのバザールに上司が立ち寄ったことで急展開とは・・・・
私もあのバザールをやった甲斐があったというものです。(笑)

by Happy Cream Puff (2013-08-16 13:59) 

セブノスター

昨日(16日)にSMへ行ったので、Kulturaに寄りました。
残念ながら、マンゴークッキーはありませんでした。
店員にも尋ねたのですが、「知らない」と言われました。
フィリピンの店員はあてにならない場合が多いですが。

お盆期間は観光客も多く、売り切れたのかも知れません。
私が店内をうろうろしている時も、日本人女性客たちが
信じられないすごい量のお土産を買っていました。
 
 
by セブノスター (2013-08-17 09:32) 

ささき

昨日お客さんをMOAのKulturaに連れて行きPremium Fruit Cookieを全部で10箱ぐらい買ってもらいましたよ。
by ささき (2013-08-22 09:28) 

Akira

Happy Cream Puffさん、今回のKultura納入できたのは本当にあのバザールのおかげでした。感謝しております。近くのメガモールで観察をしていますが、箱が減っていっているので少なくても売れていると思います。これで火がついて今後も売上が上がることを祈っています。

Happy Cream Puffさんでも今後ともよろしくお願いします。
by Akira (2013-08-22 12:23) 

Akira

セブノスターさん、このコメントを見て確認しましたが、先週のかきいれ時には残念ながらまだ販売はしていなかったそうです。(残念)多分1年で最も日本人が集まる時期に販売できなかったのは痛恨の極みですが、今週辺りから並び始めていると思います。今後に期待したいと思います。
by Akira (2013-08-22 12:25) 

Akira

ささきさん、このたびは弊社クッキーをご購入いただき誠にありがとうございました。何かお気づきの点があれば何なりとコメントをいただきますようお願いします。今後ともよろしくお願いします。
by Akira (2013-08-22 12:27) 

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