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Kissako MOA店は閉店しました





2018年1月31日をもってKissako MOA店は閉店しました。9ヶ月という短い間ですが、ご愛顧いただきありがとうございました。Kissako本店、Megamall店は通常通り営業しておりますので、今後ともよろしくお願いします。

敗軍の将、兵を語らずではありませんが、今はそれに至った原因を現在分析しています。しばらく時が経ってからここでまた詳しく書いていきます。株などの投資に失敗したと思えば気が楽になりますが、手塩をかけて作った店だけに寂しさのほうが今は強いです。

経緯についてちょっとだけ書かせてください。

以前ある人が私にこう言いました。

「SMモールに出店するのは大金持ちか大企業でなければできない」

言われた時はSMとビジネスをしていなかったので、ピンと来ませんでしたが、実際に出店してその意味がよくわかります。以前にもSMの事は記事にしたことがありますが、SMは「スーパーマーケット」のイメージが一般的ですが、私に取ってみると流通業というよりは不動産賃貸のイメージが強いです。もう撤退しましたし、守秘義務もないので皆さんの情報共有目的として書かせてもらいます。ただ誤解がないように予め書いておきますが、SM MOAの担当者の方々は本当にお世話になりました。すごくいい人ばかりで心の底から感謝しています。(他のSMとは全然違いました。)

SMは家賃もさることながら、その他の経費がとてもかかります。電気代は毎月ちゃんとモニターをしておかないと、ある日突然4倍くらいの電気代を請求されます。モール時間内の自分の店舗の設備や備品の持ち込みは禁止。モール時間が終わったら持ち込み可ですが、夜間持ち込み料金が取られます。大きな荷物でエレベーターを使用したら1時間450ペソがかかります。

同様に店舗改装のための工事はモール時間中は禁止です。モールが終わってからの夜中の工事になります。交渉にもよりますが、工事期間は約1ヶ月間を言い渡され、その間は家賃は発生しません。通常はそのような期間では終わりません。

また、

夜間に仕事をするとMOAの場合、500ペソ/時かかります。(数字が間違っていたら訂正します。)8時間働いたら4000ペソ、30日働いたら120,000ペソチャージされます。(1ヶ月の無償期間を過ぎたら基本的に家賃が発生しますが、夜間工事代は別途支払いが発生します。)夜間働く場合は働く人の名前とIDを事前に申請し、何を持ち込んでどんな工事をするか工程表を出す必要性があります。

ちなみに私の店舗の場合、デザインは事細かにうるさく指摘されました。(これはMegamallでも同じ)我々の好みだけではデザイン案は通りません。Operation Managerと仲良くなることが非常に重要です。

店舗をオープンしてもSMにはお金を徴収されたというイメージしかありません。一番驚いたのは、店舗の宣伝をするポスターやバナー広告です。(よく通りの真ん中やモールの入り口に置いているもの)MOAの場合、大きさにもよりますが、身長高さくらいのバナーで60,000ペソかかります。一回の経費ではなく「毎月60,000ペソ」かかります。これには驚きました。

ちなみにPOSはオンラインでアドミンにつながれます。POSは勝手に自分で業者は選べません。SMの登録業者からしか買えません。売り上げを操作するなどということはSMでは不可能です。

MOAの場所と広さにもよりますが、私の借りた場所はそこそこいい場所で、平方メートルあたりの家賃はBGCと遜色のない家賃でした。それに上記の経費がかかります。ぶっちゃけた話を書きますと、MOA店の売り上げが3店舗の中で常にトップで、閉店する時もダントツトップでした。

が、経費がかかりすぎました。原因の一つはそこです。もう一つの原因は5%の売り上げインセンティブです。これも痛かった・・・。まあ、それだけの経費をカバーするだけの売り上げがなかったというのが一番の原因です。この件についてはもう少し掘り下げて別の記事で書いていきます。

閉店してつらいのは贔屓にしていただいたお客様から「えーー、何で」という言葉を聞くことです。常連客はフィリピン人が半分、中国人、韓国人などの外国人、観光客が半分(日本人のお客様は全体の1%以下だったので、ほとんど影響はないと思いますが)でした。もう本当にそれを聞くのが辛いですし、今でも胸が痛みます。

ちなみにリース契約前に撤退しますと、6ヶ月のSecurity Depositは没収。本来なら契約期間までの家賃を支払わなくてはいけませんが、これは交渉して免除してもらいました。(契約満了ですと問題がなければ返金されます。)ちなみにSecurity Depositは毎年6ヶ月分支払う必要があります。初回の契約時だけではありません。毎年です。

フィリピンの飲食店の経営は本当に難しい。特にカフェなどは更に難しい。遠慮のないフィリピン人はカフェに2〜3時間居座るのは当たり前で最高で開店から閉店まで12時間居座った方もいらっしゃいました。1席あたりの稼働率、売上高は本当に低いと思います。SMでカフェというのはお金に余裕がある方か、150m2くらい借りるだけの力がないと無理だと思います。

現在SM MegamallではKissakoを引き続き営業をしておりますので、今後ともよろしくお願いします。これらの失敗を経験にして、新たなチャレンジをしています。日本人相手ではないので詳細はここでは書きません。失敗しても成功してもコメントをいただいても何もここでは情報は流しませんので、あしからずお願いします。



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ある起業家

Akiraさん、本当にお疲れ様でした。
またいつか語り合いましょう。
by ある起業家 (2018-02-15 13:27) 

からやま

読者です。
応援しております。
私は株で最近の相場で数百万円損しました。
ビジネスで挑戦をしたうえでの損なので、
相場ですった、なんかよりは多少有意義ではないかと
まあ、損には違いないかもしれませんが

by からやま (2018-02-15 16:21) 

Akira

ある起業家さん、
ありがとうございます。一つ肩の荷が降りました。
機会があればぜひ語り合いたいですね。
by Akira (2018-02-16 02:23) 

Akira

からやまさん、
はじめまして。ありがとうございます。

私もこの失敗はきっと将来に活きる失敗だと思って前向きに考えています。細かいことを言ったら立ち直れないくらい落ち込みましたが、同じような金額を株などの投資に使って、損したり儲けたりしている方がたくさんいると思います。私にとってみては痛い失敗でしたがいい経験になりました。
by Akira (2018-02-16 02:25) 

みろりん

フィリピンって本当に大変な国ですね。若い人の人口も多いし、
発展するはずなのに民間の活力を行政や政府が妨げる。読ませていただいてとても勉強になります。

以前は、マカティのビジネス街にお弁当を売るという商売を考えてましたが、安定した供給が出来ないので今は日本の缶詰バーみたいな小さなお店もいいかなと思ったりして、でも日本から商品を輸入するのも大変そうですね。
by みろりん (2018-02-16 16:12) 

kujira

2月のとある日に久しぶりにMOAに寄ったので探しました。外側の喫茶去のディスプレイを見つけ・・あれ、入り口は?・・
ガードに聞くとwara・・・??
全容は分かりませんが、フィリピンの優良企業は自身が絶対に損をしないマネージメントになっているようです。日本の一つ星レストラン友人からフィリピン投資を相談されましたが、在留の友人を含めて個人の投資先として進められる案件はないと思ったほうが良いという結論で、5年先を見ても千三つでしょう。
チャレンジは損得勘定と冒険心! これからも頑張ってください。
by kujira (2018-02-18 09:06) 

Akira

みろりんさん、
はじめまして。フィリピンって最近は日本のマスコミとかが「アジアでの成長率の伸びがすごい」と、もてはやしていますが実態はそんなことはなく、10年前と本質は何も変わっていません。基本的に「無責任」なんです。他の人や他の会社のことには全く興味がない。助け合い精神とか言いますが、自分の身内だけ。ラテンの血は変えられません。

私は日本から食材を仕入れるのは輸入の問題もあり難しいと思います。缶詰文化のフィリピンですし、長期保存が効くので面白いとは思います。現地の食材を使って何か特別なものを作ったら面白いと思います。
by Akira (2018-02-20 10:12) 

Akira

kujiraさん、
MOAにおけるチャレンジは残念ながら失敗に終わりましたが、今はまた違う分野でチャレンジを初めています。全てのビジネスがうまくいくわけがないですし、トライアンドエラーの精神で今後も頑張ります。
by Akira (2018-02-20 10:13) 

みろりん

あきらさんありがとうございました。
私はフィリピンの人に日本に来て働いていただくための
関連の仕事をしています。
フィリピンの人も国も好きなのでいつも一緒に
働いている同僚となんかビジネスないかなと
話をしています。
簡単にいくわけないですよねー。

by みろりん (2018-02-28 21:53) 

Akira

みろりんさん、
私はフィリピン人を使って人材の派遣業って面白いと思っています。クリアーしなくてはいけない様々な問題はあると思いますが、現在日本の「研修制度」は名ばかりで、実質は日本で足りなくなっている労働者の補完的な意味合いのほうが大きいと思います。それを本当に活用して、フィリピン人の専門職に徹底的に技術を教え込み、その技術を世界中に活用するというビジネスです。例えばCADオペレーターや機械の納品メンテをする技術者など専門的な知識が必要な職種に対しての需要は大きいと思います。

私が偉そうにはいえませんが、とりあえず何でもいいからやってみるって結構大事だと思います。100人起業を考えている人がいたら、実際に行動に起こすのは、そのうちの1人か2人です。失敗を前提にしてやってみたらいいですよ。うまくできたらラッキーくらいに思っておいたら気が楽だとおもいます。
by Akira (2018-03-02 11:19) 

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