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社員の海外流出を阻止





この2ヶ月の間、実は社内のスタッフの問題で大変でした。機械ビジネスとクッキービジネスのキーマンが揃って海外に流出する危機でした。(一方で出来損ない社員を1人辞めさせましたが・・・)

機械ビジネスのキーマンは以前このブログの記事で車を支給しようとしていた社員です。彼にとっては車の支給は魅力的ではありませんでした。この車の支給については親しい華僑の人やお客様に相談して「それ以上のベネフィットはないよ」と言われていたので安心していました。しかし甘かったようです。

この彼はいわゆる「どうしても辞めてもらったら困る」スタッフです。正直スキル的には彼と同等のスキルを持ったエンジニアはたくさんいると思います。もちろん5年以上かけて育て上げたノウハウもあるのですが、スキル以上に大切なのは彼の人格です。

お客様から慕われている彼は、いつもお客様から名指しで指名が入ります。(KTVみたいですね。)彼が行けないことを伝えるとガッカリするお客様や、彼が来るまで待つお客様までいます。それが一社ではなく何社からも指名が来ます。この部分はスキルと言うよりも彼の人柄に依るところが大きいです。もちろん彼のスキルが優秀なのも理由の一つです。「お客様に慕われる」スタッフは育てようにも育てられません。私が彼を失いたくない理由はここにあります。

もう一つは日本のメーカーさんから彼のスキルに対し、相当の期待があります。彼を知る全てのメーカーさんから「絶対に阻止をしろ」と命令を受けました。今回もDavaoの納品があっけなく終わったのは彼の仕事の速さにも起因します。日本人がやっても2日でかかるような仕事を彼は1日で済ませます。本来丸3日かかると思われていた仕事を2日で終わらせてしまいました。

他にも「フィリピン人の技術者じゃ無理無理」と言われてきた案件も全て彼は解決をして来ました。今回は最終的にいろいろな手を使って説得し、結果的に留まることになりました。

日本の多くの会社がフィリピンに「人件費の安さ」を理由に進出してきます。私は最近思うのですが、会社がフィリピン人スタッフのお陰で注文が取れて、利益がそれなりに出ている時にはフィリピン人スタッフにも均等に利益を分けるべきではないかと・・。日本の会社やスタッフだけがいいとこ取りする理由ってちょっとおかしいと思い始めています。儲からなかった時にはちゃんと説明すればいいことです。儲かったらちゃんと均等に分ける。そうすれば彼らはそれなりに働きます。今回の件はオーナーだけがいい思いをしちゃダメだとふと自分自身の勉強になりました。

今回彼に提示した条件で満足してくれると思います。クッキーのスタッフも然り、です。彼らが動いてくれるおかげで会社が潤うようになるのが一番の理想です。まわりの日本人の会社を見てみても一般的に軌道に乗っている会社はそういう待遇をしている会社が多い気がします。

「辞めては困る社員は体を張ってでも止めろ。」今回の私の教訓です。
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たばちん

いい会社とは人材を大事にする会社だと思います

それは会社経営する方の逃げてはならない責任だと思います

当たり前のことですが、周囲がみんな低賃金で雇用してると思うと、そうしたくなるでしょうね。

有能な社員は国籍に関係なく高待遇にしないと、きっといつか大きな損失が出るような気がします

今日の記事は素晴らしいと思いました

by たばちん (2013-04-03 23:25) 

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